[2006.7.5 15:02]
・・・(1)より続く
スピーカーが「喉」だとすれば、
アンプは「お腹」
さて、最後にサプライズとして用意されたのが、ラックスマンの持つ全てをつぎ込んで完成した究極のセパレートアンプ、C-1000f+B-1000f。この音は文字通り「サプライズ」であったのだろう。中嶋さんは破顔し、ムースさんは目を閉じて空間に触れるような仕草をする。「目を閉じると、そのまま劇場にいるような気分ですね。目の前に演奏者の存在とか、気配とかを感じました」とムースさん。中嶋さんは「これを聴いたらもう笑うしかありませんね。倍音が増えて音に深みが出て、人間の生の声に近づいています。自分の声も、今までよりもたっぷりとした息遣いで深みのある声で歌っているようでした」。
まさにその通りで、スピーカーが歌手の「喉」だとすれば、アンプは「お腹」。つまり声を支え、響かせるための腹式呼吸をする一番大切なところなのだ。取材の最後に中嶋さんが語った印象深い台詞で締めることにしよう。「私達にとっては音楽が生きる意味のようなものですが、アンプに対するこういった技術的なチャレンジが、開発者の方々の命がけの仕事なんでしょうね。そういうことが音にきっちり現れてきて、恐ろしいくらいの体験でした」。
2機種の個性溢れるアンプによる音の違いを、始終楽しそうに味わっていた中嶋彰子さん(左)とニルス・ムースさん
純A級プリ・メインアンプ
・ラックスマン L-590A ¥525,000
http://www.luxman.co.jp/product/ia_l-590a.html
ラックスマン創立80周年を記念して作られたプリ・メインアンプで、効率と引き換えに完全な波形増幅を行なうことで歪を抑える「純A級」動作方式を採用。歪成分のみをフィードバックする独自のODNF回路も搭載している。MM/MCに対応するフォノ入力を装備。
●定格出力:30W×2(8Ω)、60W×2(4Ω)●全高調波歪率:0.03%以下(8Ω、20~20kHz)●入力端子(不平衡):フォノ1、ライン4、REC2●入力端子(平衡):ライン2●スピーカー端子:2組●リモコン:あり●大きさ:467W×178H×434Dmm●重さ:26.5kg
真空管プリアンプ
・ラックスマン CL-88 ¥399,000
http://www.luxman.co.jp/product/va_cl88.html
真空管パワーアンプ
・ラックスマン MQ-88 ¥472,500
http://www.luxman.co.jp/product/va_mq88.html
長い真空管アンプ作りの歴史をバックグラウンドに、最新の技術を斬新なデザインに包んで11年ぶりに発売された真空管セパレートアンプ。CL-88には同社の上級グレードでも採用されている高品位のアルティメートボリュームを装備し、ノブの中心をタッチすることでミュートがかかる機能も持つ。オプションで専用フォノアンプEQ-88も用意される。またMQ-88は真空管のチョイスも吟味され、4本の出力管KT88はトップパネル上のメーターを見ながらのバイアス微調整が可能。カスタムパーツや強固な構造と相俟って音質重視の作りがなされている。
〈CL-88〉●入力端子(不平衡):4●出力端子(不平衡):1●使用真空管:ECC83S、ECC82●大きさ:255W×95H×387Dmm●重さ:8.6kg 〈MQ-88〉●定格出力:40W×2(8Ω)、50W×2(6Ω)●入力感度/インピーダンス:420mV/100kΩ●入力端子(不平衡):2(ダイレクト/バリアブル)●スピーカー端子:1組●使用真空管:KT88×4本、ECC83S×2本、12BH7A×2本●大きさ:400W×186H×397Dmm●重さ:25.1kg
(NEW ALBUM)
・Female Portraits
●ニコライ:《流刑者の帰国》~聖なる炎 ●ベルリーニ:《海賊》~その穢れない微笑と ●ベッリーニ:《夢遊病の女》~取っておくれ、君に贈るこの指輪/おお花よ、お前がこんなに早くしおれて ●ヴェルディ:《椿姫》~さようなら過ぎ去った日よ ●カタラーニ:《鎌》~愛…愛 ●マスカーニ:《友人フリッツ》~スゼル、おはよう…すべてが沈黙しているけれど ●プッチーニ:《ジャンニ・スキッキ》~わたしのお父さん
■中嶋彰子(S)、ダリオ・シュムンク(T)他 ニルス・ムース指揮スロヴァキア放送so. [KI KDC5009]
(プロフィール)
・中嶋彰子(Akiko Nakajima)●ソプラノ
15歳のときに渡豪。シドニーで音楽教育を受ける。1990年全豪オペラ・コンクールに優勝。同年、シドニーとメルボルンの両オペラハウスと契約し『皇帝ティートの慈悲』のセルヴィリアでデビュー。その後活動をヨーロッパに移し、インスブルック・チロル歌劇場、ドイツはダルムシュタット・オペラと専属契約。イタリア・ベルカント・オペラからモーツァルト、R.シュトラウス、ヴェルディ、現代ものではフィリップ・グラスの作品まで広いレパートリーの数々の主役をこなす。99年にはウィーン・フォルクスオーパーの専属歌手となる。同年、デュトワ指揮NHK交響楽団のフォーレ「レクイエム」で日本デビュー。第14回「出光音楽賞」受賞。
初ソロCD『ラ・パストレッラ』をウィーン・プライザー社よりリリース(輸入:キングインターナショナル)
オフィシャルホームページ http://akikonakajima.com/
[日本での主な公演予定]
■ヨハン・シュトラウス:喜歌劇《こうもり》アデーレ役
新国立劇場 6月20、23、26、28日
■ヤナーチェク:歌劇《利口な女狐の物語》ビストロウシカ役
日生劇場 11月26日(一般向け)、28日(青少年のための「日生オペラ教室」)
[シュタイアー音楽祭(オーストリア)]
■ヴェルディ:歌劇《椿姫》ヴィオレッタ役
8月4、5、11、12日
投稿者 luxman |取材ニュース
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